『鰤がどーん』から高校演劇へ愛を込めて
高校演劇で考え続けていることを、なべげんの『鰤がどーん！』に結実させてくれたのは、青森中央高校演劇部出身で演劇を続けている今回の出演者たちです。大人の力でフォローしてくれるキャストとスタッフのおかげです。そして、作品の引用を快く認めてくださった高校演劇の先輩や仲間たちにこの場をお借りして深く感謝します。
畑澤 聖悟（渡辺源四郎商店店主）
『鰤がどーん！』の企画を立ち上げた当初は、ミュージカル映画『ブリガドーン』、水木しげるが好んで描いたブリガドーン現象のイメージをちりばめながら震災を描く……というような考えで、高校演劇をモチーフにするつもりはありませんでした。しかし、プロットを練り直すうちに、舞台は高校の演劇部でなければならないということになり、畑澤初の高校演劇オマージュ作品となりました。
劇中の演劇部員たちが高校演劇作品の名シーンを演じる場面は、どれがどの作品かわかる方にはたまらないと思います。高校演劇をあまり観たことのないスタッフは、なぜ私がいちいち涙ぐむのか不思議そうでしたが。
工藤 千夏（渡辺源四郎商店ドラマターグ）
●『鰤がどーん！』に登場する高校演劇作品●
『修学旅行』（作：畑澤聖悟）
『破稿・銀河鉄道の夜』（作：水野陽子／原案・谷省吾）
『あゆみ（弘前中央高校版）』（作：柴幸男／潤色・畑澤聖悟）
『トシドンの放課後』（作：上田美和）
『七人の部長』（作：越智優）
『チェンジ・ザ・ワールド』（作：石原哲也）
『全校ワックス』（作：中村勉）
『翔べ！原子力ロボむつ（青森中央高校版）』（作：畑澤聖悟）
『うさみくんのお姉ちゃん』（作：中原久典）
『もしイタ～もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』（作：畑澤聖悟）