2015年7月3日
さて、これが、ツイッターで「#自民、感じ悪いよね。」がトレンドワードに急上昇した元になった記事。
自民党 がガタガタとするのは政策よりも「なんか 自民党 、感じが悪いよね」と国民の意識がだんだん高まっていったときに危機を迎えるのが私の経験だ。政策は大事だが、「嫌な感じ」が国民の間に広まることは心しなければいけない。
 ( 自民党 が野党時代の)3年半は思い出したくもないが、あれを忘れたらまた 自民党 は国民の支持を失う。1、2年生(議員)は野党時代を知らないので、「こうでしたよ」ということを伝えるのが私どもの仕事だ。(石破氏を支持する議員の会合で)
朝日デジタルより引用
記事の本文の石破氏の表現と、朝日新聞デジタルの見出しは微妙に違う。石破氏によって提示されたコンセンプトを、朝日デジタルの記者かデスクが、強いコンセプトを「届く言葉」として表現し直した、実に秀逸な仕事である。「自民党」を「自民」と省略している。「感じが」の「が」という助詞を省いている。語呂が良くなっただけでなく、時代の気分を見事に表している。かつての学生運動の言葉で政治を語ってもピンと来ない世代に伝わる、2015年の語感である。これは、表現の可能性として、「安倍、総理やめるってよ」と地続きだ。
ツイッターで「#自民感じ悪いよね祭り」が起こっていることについて、批判するツイートも数多く見られる。自民党批判そのものに真っ向から対立、批判する意見。そして、感じが悪いとかいうレベルで言われることに腹がたつ、もっときちんと政治を語るべきという意見。好悪がはっきり別れるのが、強いキャッチコピーだと私は思う。
かつて、ソニーが「ベータマックスって、なくなるの?」というキャッチコピーで、ビデオデッキの広告を出したことがある。もちろん、それは、「なくなりませんよ、大丈夫ですよ」というメッセージを伝えるための修辞だったのだが、皮肉なことに、消費者が抱えていた「ベータは本当になくなるかもしれない」という危機感をあおる結果となった。ベータがなくなったどころか、ビデオデッキというものが姿を消した今、ベータだVHSだという話自体が懐かしいが、石破氏のコメントを報じる記事を読んで、私はこのキャッチコピーを思い出したのである。抱えている不安が大きいときに、本家本元がそれをいっちゃぁおしまいだ。
ちなみに、NHKのニュース番組「NEWS WEB」(月~金・23時30分~)では、#自民感じ悪いよね を除外した模様。私も真似をして、コメントはスルーしよう。
最後に、これ。自民感じ悪いよねTogetterまとめ
ちゃんと見つめて、ちゃんと考えなくっちゃって思うのです。言葉は武器です。そして、鋭利な武器だけがダメージを与えるとは限らない。
Comments