テーマソング「友よ」について

工藤千夏

　渡辺源四郎商店（青森）の宮さんこと宮越昭司（90歳）と、「老いと演劇」OiBokkeShi（岡山）のおかじいこと岡田忠雄（91歳）。「友よ」は、小劇場界最高齢のこの2人の俳優が共演する、最初で最後の演劇作品を映像に納めるという企画のテーマソングとして作られました。残念ながら、2018年4月1日のパフォーマンス撮影は中止。宮さんは、その年の秋に会えない場所へ旅立ってしまいました。

​　ときどき、ふっと、宮さんの声が聞きたくなります。電話をかけたら、以前と変わらない元気な声が聞けそうな気がします。今も溌剌とお芝居を続けているおかじいの公演のお知らせを頂戴すると、とにかく馳せ参じます。でも、今はそれも叶わない。

　会いたいときに会える幸せ、お芝居をしたいときにお芝居ができる幸せについて考えながら、この『居酒屋じぱんぐ〜みーちゃんの行方〜』を書いていたら、頭の中で、アキオが『友よ』をずっと歌っていました。

​　というわけで、この歌は、宮さん＆おかじい奇跡の企画だけでなく、この4月に毎日会うはずだったのに会えなくなった演劇人たちのための、留守電ひとり芝居オーディオドラマの主題歌でもあります。

2020年4月27日　

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