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​Message

『ヤナギダアキラ最期の日』のキャストやスタッフから、当時をふりかえってのメッセージです。

​ なべげんに届き次第、随時、掲載致します。

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 吉田唯の出世作、ヤナギダアキラ最期の日の配信です!とか、調子に乗ってると牧野さんに睨みを利かされそうです…舞台で怖かったなぁ……。

 この作品は、宮さん(親しみを込めて)と牧野さんのキャラクターのギャップを楽しむのも見どころですが、演者としても色々なギャップを楽しんだ芝居でした。牧野さんは稽古の合間に見せる優しさと舞台での怖さのギャップに驚き、宮さんは舞台では今にもお亡くなりになりそうなのに打ち上げでは誰よりも酒を飲んで生き生きしているギャップにほっこりしました。

 どうかお家でリーンナイのファンヒーターでもつけながらゆっくりお楽しみください!
               吉田 唯(医師・清原清彦 役)
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 さわやかなふうにも、暑苦しいようにも感じられる舞台美術にしなきゃなぁ、とこさえた記憶があります。

 

 そして、通り過ぎて行く人たち、それを見守るもの、なんていうのが仄かに感じられたらな、とスケスケの布をたらしました。

 

 センターの絵はなかなか好きな質感で描けましたが、小劇場ならではの質感やもしれません。大きな劇場だとちょっと背景布に埋没してしまうので、少し違う色味にするか、大黒幕(1番背後の黒幕)との距離をうんとあけてみる、なんてしても面白いかもしれませんね。

 ただ、再演の機会があっても全てのセットはほぼ残ってませんので、また作り直さねばなりません。つまるところ、雰囲気を残しつつ違うものが立ち上がるでしょう。そしてキャストもオリジナルメンバーが再び揃うとなると、もう50年は待っていただいてあの世で、となります。永遠の生命はこの舞台の映像だけで、この動画に見守られて僕らは変化しながら生きてるんだなぁ。

​             舞台美術・舞台写真 山下昇平

 この物語はだだのファンタジックなお芝居だと思って観ることはおすすめしません(笑

 

 もし仮に自分が「死」というリミッターを外されたことを想像してみた時に、はじめは人を超えた存在として神にでもなった気になるかもしれない、でも常に残される側の立場として生きていかなければいけなくなるわけで周りの生きる喜びと死の悲しみに何十回、何百回、何千回と立ち合うことになると思うとしまいには悟りにはいるか精神的に病んで人という感情をなくしてしまいそうな気がします。

 老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだと誰かが言ってましたね。

 これはそんなことを考えさせられる作品です。

また、お酒を飲みながら戦時中の話しを宮さんから聞けたことや、親分である牧野さんから教えてもらった社会人としての礼儀は、今でも自分の糧となっています。

 両名優と共に演劇できたことを誇りに思いこの場を借りてご冥福をお祈りします。

 

                    工藤貴樹(村岡組舎弟・佐藤優 役)

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 映像を観ると、当時自分がこんな事考えながら照明作ってたな〜とか、11年前の記憶が鮮明に甦りますね!


 渋い演技で憧れだった牧野さんに飲みに連れて行って頂いた

なぁ〜とか、今にも死にそうな演技の宮さんと元気に晩酌しな

がら戦後の話聞いたな〜とか、そういう想い出まで甦って来ま

す。もうお目にかかる事の出来ないお二人ですが、映像でまた

お元気なお二人に会う事が出来ますし、ストーリー的にもなべ

げん作品の中で大好きな作品の中の一作ですので、とても楽し

みに拝見させて頂きます♪

          照明 浅沼昌弘(アクト・ディヴァイス)

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    「宮さんは、皆さんが述懐されているように、弱々しいお年寄りの演技を意識してされていましたが(笑) 本当にかっこ良い方でした。 シアターガイドの表紙を飾った、ロングコートの凛々しい宮さんの撮影会は、今でも鮮明に覚えています。

 凄まじい戦争や激動の昭和を生きてきた宮さんは、アキラさんをどの様に捉え演じられたのか……。

 私は、運命を受け入れ、チエを丸ごと受け止めて下さったアキラさんの横顔は、まさに宮さんだったと思っています。 いつも、若い役者達を「大したもんだ!」と過分に感心して下さり、見守って下さっていた宮さんでした。

 

      牧野さんは、あまり多くを語らない中に、時々ボソッと発する言葉が、本当に「あぁ…そうだよな…」と心から納得する言葉を仰る方でした。とてもよく状況や人を見ているのです!  序盤に、2人でキャッチボールをするシーンがあるのですが、「静香がこういう芝居をするなら、私は、こういう風にした方がいいと思うんだよなぁ。」などと対等に細かく話して下さっていました。 そして、いざ稽古の時には、ちょこちょこといたずらっぽく芝居を変えて来られたり、かと思えば厳格な雰囲気を作り上げられたり…と、色々試され、とても探求心の方でした。

 まさにアーティストであり、おちゃめであり、ストイックな方でした。

 

    ヤナギダアキラは、私にとってもとても大切な作品でした。 とても大好きで偉大な人生の、舞台の先輩方の懐に包まれて芝居が出来たあの日々を忘れられません。」

​         工藤静香(柳田智英 役)

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