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  • 執筆者の写真震災高校演劇編集部

学校法人桜丘高校の取り組み


 学校法人桜丘高等学校演劇部(愛知県豊橋市)顧問の松岡一夫教諭からご連絡があり、桜丘高校の「孫だより」の会という阪神大震災の際に結成したボランティア組織について情報を頂戴した。震災で家族を失い、一人ぼっちでお年寄りに、孫に成り代わって文通をしていこうという教師と、それに応えた高校生たちの活動が発祥だという。この活動は今も続けられ、毎年神戸を訪問し、秋の学園祭には神戸のお年寄りをバスで招待しているそうだ。また、東北の震災が起きた時もいち早く活動し、毎年2回、気仙沼の大島を訪問したり、毎月11日の月命日と、3・11には大規模な駅前募金活動を展開しているとのこと。

桜丘高校演劇部『月明かりの下で』1988年

桜丘高校演劇部が、1998年にこのボランティアの様子を演劇にしたのが、戯曲リストにも掲載した『月明かりの下で』作:大上亜紗美・松岡一夫である。

 

桜丘高校演劇部『月明かりの下で』1988年

 阪神淡路大震災から3年。街の復興は進み、神戸の街は以前のような活気を取り戻しつつあった。しかし、仮設住宅は残り、ことに、お年寄りの孤独死という新たな問題が生じていた。そのことをニュースで知った希望ヶ丘高校の川原先生は、学園祭の企画として神戸までの歩行を提案する。生徒たちは反発しながらも先生の情熱に押され、神戸にたどり着く。そこで見たものは・・・復興には程遠い仮設住宅に住む人々の現実だった。特に、お年寄りが仮設住宅で、孤独なまま、誰にも発見されず亡くなっていく姿に大きなショックを受けた。学校に帰った生徒たちは、孤独死を救おうと、老人たちに手紙を送るボランティアを始めた。名付けて「孫だより」の会。孫のような高校生から届く手紙に老人たちは励まされるが、それ以上に高校生たちが元気をもらう。このモデルとなった、桜丘高校の神戸ボランティアは、24年経った今でも続けられている。

桜丘高校演劇部『月明かりの下で』1988年

  他に、松岡一夫教諭は阪神大震災をテーマにした作品も手がけたそうだ。愛知県の高校生たちが学校の枠を超えて神戸にボランティアに行った時の様子を描いた「ミュージカル「STAND UP」〜月明かりの下で」という作品。上記、桜丘高校で上演した作品の元となった。

 また、三宅島の噴火に伴う全島避難を描いた「潮騒の消える島」という作品も桜丘高校演劇部が上演している。(後日、戯曲リストに情報をアップ予定)


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